事業紹介

アート創作活動拠点オンライン公開事業

茨城県取手市

  • 首長インタビュー
  • 有識者コメント
  • 自治体ピックアップ事業
  • 活用事例集事業
  • 地域未来構想20
  • オープンラボ

事業の概要

アート創作活動拠点オンライン公開事業
  • 事例集番号

    40

  • 地域未来構想20

    ⑫文化芸術・スポーツ・コンテンツビジネス

  • 事業実施時期

    令和2年6月〜令和3年3月

  • 総事業費

    3,500千円

芸術家の創作活動拠点の取材・芸術家へのインタビューおよびその活動の様子をインターネット上で公開し、現下の情勢においても可能な芸術家と市民の接点づくりを行い、これを契機に取手の芸術家の存在がよりリアルに見えてくる仕組みを作ることを目指していくものです。なお、web制作に当たっては、単なる活動紹介サイトとするものでなく、制作側にも芸術家に関わってもらい市民の心が動くような良質なものとしていきます。撮られる側・撮る側の芸術家の参加を公募にて募り、集まった35組の芸術家のマッチングを経て、順次取材が進んでいます。通常は「鑑賞」や「体験」という形で触れることが多い芸術ですが、今回は普段踏み込むことができない「作品や活動が生まれる場」を公開していくことで、作品が生まれる場と、それを生み出す人々(芸術家)を一体的に市民に知ってもらい、市民にとって芸術がより一層身近に感じられるまちづくりを目指していきます。
 
≫ ART LIVES TORIDE(アート・ライブズ・トリデ)

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事業の背景

取手市は芸術活動が盛んで、市内には芸術家が多く暮らし、制作を続けており、芸術と市民との接点の機会が数多く提供されています。しかし、現在のコロナ禍のもと芸術家はその機会を失っており、芸術活動そのものが絶たれることが懸念され、市民が芸術に生で触れる機会を失うことになりかねません。取手の芸術の特色は、芸術家たちが数多くこのまちで作品を生み出していることであり、芸術活動の継続支援が必要となっていました。

  • 首長インタビュー

    藤井 信吾
    茨城県取手市長藤井 信吾
    出身地
    鹿児島県鹿児島市
    首長職以前の略歴
    東京大学法学部政治学科卒業
    民間企業勤務を経て、取手市長に就任(現在4期目)
    首長としての活動実績(一例)
    ●健康づくりを通じて、健やかで幸せに暮らせるまちづくりを推進
    ●子育て世代に対する育児相談の充実や幼稚園・保育所などの整備、住宅取得制度の拡充
    ●「気候非常事態宣言」の表明(令和2年8月、県内自治体初)による市民への普及・啓発や地球温暖化に係る計画策定・実行
    趣味
    早朝ウォーキング、アコーディオン演奏
    注目事業を実施にすることにした背景や目的

    取手市には、東京藝術大学取手校地があります。藝大生をはじめ、藝大OBや他校を卒業した芸術家たちが120名ほど取手にアトリエや居を構え、それぞれの芸術分野で活動しているという環境もあり、取手市はアートによるまちづくりに取り組んでおります。
    その芸術家の活動機会が失われてしまっては、アートによるまちづくりに大きな支障が出るのではないかと考え、この事業を実施することにしました。コロナ禍で創作活動を行う芸術家の方々にお話を伺うと、作品発表の場がなくなったことで創作意欲というパワーが減退してしまうのではないかという不安を感じられていました。本事業を通じてオンラインの世界に発表の場を作ることで、創作活動への動機づけになればと考えています。



    注目事業でこだわったポイントや期待している点

    オンライン配信という点に期待しています。視聴者が取手市民に限らず、多くの人にアクセスしてもらえる可能性があるため、コロナ禍という制約のためにやむなく採用する手法ではなく、これからの時代の“新しい芸術へのアクセス方法”であると、むしろ積極的に評価しています。
    また、動画の撮影者にも映像や写真作家を採用しました。撮影者や編集者の意図が込められた映像で作品を見ると、さらに奥行きが感じられ美術作品の発表の仕方がこの先どんどん変わっていくのだろうと感じています。撮られる側と撮る側と芸術家同士のネットワークの構築にもつながることと思います。


    “アートの持つ力”について感じること・考えること

    決してうまくはないのですが、私もアコーディオン演奏を趣味とし、芸術家の気持ちを持つ人間の一人です。そして、常々、市長はディレクターやプロデューサーという感覚では務まらないと考えています。自分自身がどんなときも“プレイヤー”であり、鮮度を大切に頑張らなければ市長というフロントランナーは務まらないと思っています。このような考えのもと、自分自身の表現活動としてアコーディオン演奏を行なっています。常にビギナーとして新しいことに挑戦しながら、謙虚に学んでいく姿勢を持ち続けたいと思っています。


    臨時交付金をどの事業に充てるか優先順位の考え方

    臨時交付金を活用するにあたり、「感染拡大防止」、「経済支援」、「生活支援」を3つの柱としました。これは、コロナ感染拡大が市民生活に大きな影響を与えるなか、感染拡大防止に緊急的に取り組まなくてはならないこと。また、経済活動を含めた市民生活を総合的に支援する必要があったからです。この3つの柱につきましては、どれが優先的にということはなく、どれかが欠けてしまった場合、残る柱にも影響を与え、その施策の効果が見込めなくなります。よって、コロナ感染拡大の影響を最小限にとどめられるよう、その当時考えられる施策を3つの柱として事業化しました。いわば、3つの柱そのものが市の事業のなかでの優先事業なのです。


    withコロナ時代の地域づくり

    取手市のまちづくりを考えるとき、“そこそこ便利で、そこそこ経済的に楽に暮らせるまち”というPRではなくて、アートをはじめ取手市にしかない魅力に軸を置いたまちづくりを展開していきたいと考えています。そして、そのまちづくりを市民や市外の方々からきちんと評価されるものにしていきたいと思います。そうなるためにも、市の職員たちが自分の任されている分野でベストを尽くし頑張ってくれる、そして市民の皆さまも取手市のいいところを見つけて、いいところに惚れて生きがいを見つけ頑張ってくれる。このようなまちづくりができたらいいなと思っています。


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  • 担当者コメント

    秋田 貴雄
    茨城県取手市 文化芸術課 秋田 貴雄
    注目事業を実施するなかで直面した課題や工夫した点

    34組の芸術家によるアート創作拠点オンライン公開事業は、映像を撮影される側にも撮影する側にも公募に応じてくれた芸術家に制作をお願いしています。撮影や映像を自身の表現方法にしている芸術家が制作することで、素晴らしい映像になったと思います。ただし、映像が素晴らしければ多くの人が見たがるかというと、また別の側面があると思いますので、この事業の受託者の取手アートプロジェクトオフィスと知恵を出しながら多くの人に見ていただけるような工夫も必要であると思っています。


    注目事業にどのように地域の関係者を巻き込んだのか

    この事業の直接の関係者は、芸術家の皆さんで、事業参加を公募により行いました。現在のところ巻き込んだと言えるのは芸術家の皆さんですが、アートによるまちづくりに、市民の方々、事業者などを巻き込むためのいちツールにこの事業はなりえるものです。芸術家の存在を公開することで完結するのではなく、これが様々な属性を持った市民の方々、企業や事業者、こういった人たちを巻き込むための足掛かりにしていきたいと思います。


    注目事業を実施してよかったと思う点

    取手市には予想以上に多くの芸術家が、拠点や住まいを構えていることが再確認できました。また、すでに存在を知っていた芸術家についても、面と向かって制作のことや取手での活動についての思いも伺うことができ、出会い直しができました。今後文化芸術施策を考えていくなかで、担当としても取手市の芸術についてリアリティを持って考えていくことができるようになったと思います。


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  • 有識者コメント

    一井 暁子
    一般社団法人 つながる地域づくり研究所
    代表理事
    一井 暁子
    この取組を面白いと感じた理由

    文化芸術やスポーツは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を、非常に大きく受けた分野です。その対策には、多くの自治体が取り組んでおり、地方創生図鑑にも、883もの事業が掲載されています。
    その中で、従来の活動の代替や補完にとどまらず、なかなか見ることができない、芸術家の住まいやアトリエ、顔や姿を公開し、あまり聞くことのない、芸術家が生の声で語る、人生や制作活動についての話を紹介しているのが、この取組の特長です。
    特に取手市の場合は、「難しい」「分からない」と敬遠されがちな現代アートの作家も多く、「こんなことを考えている人なのか」「こんな場所で作っているんだ」と知ることで、作品につながる入口を増やす取組だと思います。


    この取組の特に注目してほしいポイント

    紹介される側だけでなく、映像や写真・テキストで紹介する側も芸術家とし、両者を、公募した上で、マッチングしているところです。
    担当者に伺ったところ、思っていた以上に、たくさんの芸術家が市内に住み、活動していて、身近なところにアトリエがあることを知り、驚いたそうです。この取組に応募してくれた方の中には、既に20年以上続いている取手アートプロジェクトに、これまで参加していなかった芸術家もいた、とのことで、新たな関係づくりの機会になったと思われます。
    芸術家同士も、今までは、あまり横のつながりがなかったそうですが、この取組をきっかけに、お互いに刺激を受けたり、新たなコラボレーションが生まれたりすることも期待されます。


    この取組と組み合わせたら相乗効果のありそうな取組

    幼稚園・学校や保育園・学童保育、障害者や高齢者を対象とした活動や施設等へ芸術家を派遣する事業、また、地域の活性化や、事業所の事業見直しや新規事業創出等に、芸術家と協働して取り組む事業等、市民と関わる事業と組み合わせるといいのではないでしょうか。


    この取組をオススメしたい自治体

    取手市と同様に、芸術家が域内に住まいや活動拠点を設けている自治体はもちろんですが、開催しているアートプロジェクトの参加アーティストや、伝統的な芸能の伝承に取り組んでいる地域の方、工芸品の産地の職人等を対象に、取り組んでみてはどうでしょうか。


    この取組に期待すること

    この取組は、芸術家側を紹介するものでしたが、上で提案したような、芸術家が市民と直接関わる事業の中で、参加した市民の様子や声を紹介し、それに対する芸術家の思いも伝えるなど、市民生活との結びつきが感じられるものに展開されることを期待しています。
    また、他自治体にも同様の取組が広がっていけば、サイト相互や各芸術家ごとのリンクにより、情報が充実し、新たな協働や仕事の依頼等にもつながる可能性を感じます。


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