事業紹介

プレミアム付電子旅行商品券発行事業

岡山県瀬戸内市

  • 首長インタビュー
  • 有識者コメント
  • 自治体ピックアップ事業
  • 活用事例集事業
  • 地域未来構想20
  • オープンラボ

事業の概要

プレミアム付電子旅行商品券発行事業
  • 事例集番号

    -

  • 地域未来構想20

    -

  • 事業実施時期

    令和2年7月〜令和3年3月

  • 総事業費

    115,000千円

市内約100店舗の宿泊施設や飲食店等で利用できる「プレミアム付き電子旅行商品券(瀬戸内市プレミアムe街ギフト)」を、2020年10月から2021年2月末まで、総額1億円分を販売している。本商品券は、本市を訪問される観光客等がいつでもどこでも購入可能で、購入価格の25%分のプレミアムを付与して販売しており、利用者はスマートフォンで専用サイトにて購入したうえで、店頭にてスマートフォンに専用のスタンプを押すことで決済するシステムであり、キャッシュレス初心者にも比較的簡単に利用ができる。この仕組みは、2019年11月から「ふるさと納税」の返礼品として取り扱いを開始した地域商品券「e街ギフト」とも連携しており、地域通貨の域内消費及びキャッシュレスの推進にも繋がっている。
 
≫ 瀬戸内市プレミアムe街ギフト

photo

事業の背景

市内観光関連事業者は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、観光客が激減したことで、経営的に大きなダメージを受けている。そうしたことから、誘客促進策の一環として、感染症対策としてのキャッシュレス対応を勘案したうえで、「Go To トラベルキャンペーン」との連動による効果や、同キャンペーンの支援が受けにくい日帰り旅行者向けの施策としても高い効果があると見込まれたことから、本事業を実施することとした。

  • 首長インタビュー

    武久 顕也
    岡山県瀬戸内市長武久 顕也
    出身地
    岡山県瀬戸内市
    首長職以前の略歴
    邑久町議会議員を務めた後、バーミンガム大学公共政策大学院に留学。同大学院修士課程修了後、監査法人、関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科准教授を経て、瀬戸内市長に就任(現在3期目)
    首長としての活動実績(一例)
    ●「しあわせ実感都市瀬戸内」を掲げたまちづくり
    ・日本最大級となる235MWのメガソーラーの発電所を誘致(錦海塩田跡地)
    ・市民との協働による図書館を建設(平成29年ライブラリー・オブ・ザ・イヤー大賞)
    ・「山鳥毛里帰りプロジェクト」(ふるさと納税やクラウドファンディングを活用)
    趣味
    歌、料理
    注目事業を実施にすることにした背景や目的

    瀬戸内市はふるさと納税の返礼品として、「瀬戸内市e街ギフト」という市内の加盟店で使える電子商品券を発行しておりました。これは瀬戸内市の関係人口増加を目的にし、どちらかというと市外の方を瀬戸内市に呼び込む施策の一環でした。しかし今回、コロナ禍においては、市外からの観光客需要は大幅に減り、観光事業者の方々が危機に瀕する事態となりました。この「瀬戸内市e街ギフト」のシステムを利用し、目的を市内の消費喚起へと拡大したのが「瀬戸内市プレミアムe街ギフト」です。ふるさと納税への寄附をした方に限定せず、だれでも25%のプレミアムのついた電子商品券が購入可能になりました。利用可能店舗の増加とともに、地域内消費の活性化とキャッシュレスの促進を図っています。


    注目事業でこだわったポイントや期待している点

    昨今、スマホ等を介した電子決済システムの認知度が高まっています。ただ、利用には専用アプリのダウンロードが必要ですし、お店も決済端末を用意しなければなりません。「e街ギフト」もスマホを使用して決済するという点では同じですが、専用アプリのダウンロードも、加盟店側の決済端末も必要ありません。お店に必要なのは、スマホの画面に直接タッチする静電気式のハンコのみです。ハンコで決済をカウントしますので、お店側が申請書を提出する手間もかかりません。こうした負担軽減によって、加盟店舗数は当初の目標値を上回るものとなっています。
    また、このシステムは小規模事業者に導入しやすい一方で、画一的なレジシステムを求める全国チェーンの店舗には導入しづらく、よりピンポイントに市内事業者での消費促進につながっています。



    “地方創生”について思うこと

    地方の課題というのは、具体的にはやはり富の蓄積を考えていくことです。全国規模のチェーン店は、たしかに地域の雇用を生んで労働対価を払うかもしれませんが、基本的なモノやサービスの消費は中心部に集中していきます。この流れを食い止める必要性を強く感じています。
    私は以前、イギリスのバーミンガム大学に留学していました。イギリスにはチェーン店というのはそれほど多くなく、地元のパブのようなローカルな小規模店というのが根強く生きています。「ロンドンはイギリスではない」という言い方もするほど、地域重視の意識を高く持っています。地域経済をしっかりさせるとともに、地域に暮らす人々にも、誇りや愛着を持って暮らしやすくするというのが、分散型社会のあるべき姿なのではないかと思います。


    臨時交付金をどの事業に充てるか優先順位の考え方

    当初は大規模な感染拡大というのは見られなかったのですが、やはり経済的な煽りを受けて、しわ寄せが行きやすいところに給付を考えていきました。子育て世代に向けて、国の方で児童手当を1万円増額しましたが、市の方でもさらに3万円を上乗せして給付しました。また、観光事業でいえば、宿泊事業者支援策として、 GoToトラベル等に先駆ける形で、宿泊者に半額補助を行うキャンペーンを行いました。タイミングが早かったこともあり、これは観光事業者の方々には非常に好評いただいた事業です。こうした一時的な支援と、「プレミアムe街ギフト」のような中長期的な経済循環施策を併せることで、市内全体を支えていくことを想定しています。


    withコロナ時代の地域づくり

    やはりデジタル化の促進というのは、今後はより一層問われてくるようになると思います。キャッシュレス促進にとどまらず、行政サービスのデジタル化も含め、あらゆる施策を打たなければなりません。導入にあたって障壁となるものが何か、利用者目線から考えていくことが重要だと思っています。
    また、市民の皆さんの活動の促進も大きな課題です。生きがいに関わってくる文化芸術活動や健康づくり、ボランティアといった貨幣経済の枠組みでは捉えにくいものも、地域通貨を運用すれば経済循環に組み込むことができるかもしれません。
    デジタル化時代の経済活動というものの姿を考えながら、暮らしやすく、愛着の湧くまちづくりができればと思います。


    続きを読む
  • 担当者コメント

    堀 真二 / 山本 翔子
    岡山県瀬戸内市 文化観光課 堀 真二 / 山本 翔子
    注目事業を実施するなかで直面した課題や工夫した点

    ふるさと納税から始めた「e街ギフト」をいかに改正して、どれだけ参加店舗を増やして利便性を向上させるかがポイントだと考えていました。まず、お店側の負担を経済的な側面でも減らすために、決済用スタンプの買い取りや手数料支払いを廃しました。また、危機に瀕する事業者さんの運転資金確保のために、お店への支払いも、月1回から2回へと変更しています。お店側のメリットを増やすことで、参加店舗の増加を図っていきました。



    注目事業にどのように地域の関係者を巻き込んだのか

    これは地道に、市内の事業者さんに一軒一軒お声がけしていきました。観光協会に協力をしていただきながら、市内の観光関連、宿泊施設や飲食店といった事業者をリストアップして、事務局が主となり電話や訪問を駆使して事業説明などを行っていきました。手間はかかるのですが、やはり直接お話するのは効果的です。小さな市ならではの機動性を駆使した結果、ふるさと納税から参加の事業者に加えて多くの事業者さんに参加いただくことができました。


    注目事業を実施してよかったと思う点

    初心に立ち返る機会に恵まれた、と思っています。今回のコロナ禍においては、これまで観光地の基盤を支えてきた観光関連事業者さんが、かなり大きなダメージを受けました。この事業者さんたちが守ってきた基盤があってはじめて、瀬戸内市は観光地として選ばれていたわけです。今回の事業は、観光協会との関係を強く深くするものであり、事業者さんとの距離を縮める契機になったのではないか、と考えております。


    続きを読む
  • 有識者コメント

    森 悟朗
    giftee*Kyoto
    執行役員
    森 悟朗
    この取組を面白いと感じた理由

    地域振興券や地域商品券は、これまでにも不定期に、各地域で発行されてきましたが、大きな費用を投下する割に、将来の資産として残るものは無く、その場限りのものでした。そんな中で瀬戸内市では中長期ビジョンに基づき、地域の経済還流を促すツールとして「瀬戸内市e街ギフト」という電子地域商品券を地域のデジタルインフラとして2019年度より整備を開始されました。地域の事業者の皆さんとデジタルなネットワークを早くから構築されていた事が大きなアドバンテージとなり、コロナ禍で疲弊した事業者支援を「非接触・非対面・キャッシュレス」の新しい生活様式にマッチする形でスピーディーに施策投下できた、その戦略性の高さです。


    この取組の特に注目してほしいポイント

    「瀬戸内市e街ギフト」は2019年度から、瀬戸内市に来られた方が、街に触れたタイミングで「ふるさと納税」をスマホから出来、これまでは返礼品として採用されづらかった地域の飲食店や宿泊事業者で即座にご利用頂ける返礼品として、スマホで受け取れる「旅先納税」システムとセットでスタートされました。今回の取り組みはそのインフラをそのまま活かすことでスピーディーかつ衛生的に「プレミアム商品券を電子化」する事に繋がりました。各事業者が決済に利用する静電気式のハンコは、岡山県が発行する「おかやまグルメクーポン」にも採用され、共通のオペレーションで事業者にとって煩雑な精算業務が不要になる統一認証ツールになっている点です。


    この取組と組み合わせたら相乗効果のありそうな取組

    地域の自治体ポイントの交換商品や、地域の企業が福利厚生で従業員への配布等にも電子商品券を採用頂くことで、地域インセンティブの「地産地消」を実現でき、SDGsな取り組み促進等への活用にも期待できます。


    この取組をオススメしたい自治体

    交流人口の多い自治体では来訪者へ地域の魅力と共にアプローチできるふるさと納税の新たなチャネルとして、SDGsな活動を市民に促したい自治体には地域ポイントとセットでの採用で効果が期待できると思います。


    この取組に期待すること

    デジタル化、電子化と機能の置き換えを叫んでも、地域にとってのメリットが見え辛く、地域を巻き込んでの展開が難しいのが実情です。ふるさと納税で得られた原資を基にプレミアム商品券を発行、地域経済還流を自主財源での施策の無限ループ化を目指し、SDGsポイントを活用した地域に資する市民の行動変容等、武久市長の中長期ビジョンの具現化により、地域が一体となり、市民にとって真の「e街」作りを実現されると信じています。


    続きを読む

他の自治体の注目事業

注目事業一覧

TOP注目事業 > プレミアム付電子旅行商品券発行事業