事業紹介

宿泊施設を活用したテレワーク推進事業

福岡県北九州市

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  • 地域未来構想20
  • オープンラボ

事業の概要

宿泊施設を活用したテレワーク推進事業
  • 事例集番号

    76

  • 地域未来構想20

    -

  • 事業実施時期

    令和2年4月〜令和3年3月

  • 総事業費

    45,000千円

新型コロナウイルス感染症拡大を防止する観点から、オフィスへの出勤が制限されているビジネスパーソンに対して、市内宿泊施設をテレワークの場として提供することにより、テレワークの推進を図るとともに、宿泊者の減少により厳しい経営を強いられている宿泊事業者の支援を行う。令和2年4月16日から6月30日まで実施し、市内44か所の宿泊施設が参加。各施設が販売する「テレワーク推進北九州応援プラン」に対し、市が1人1日利用あたり3,000円を上限に半額を助成した。期間中、予想を超える16,700件の利用があり、参加施設からは「市内の方の利用が増え、新しいホテル需要が生まれた」「苦しい時に、売り上げ増に繋がり、経営上大変助かった」、また利用者からは「自宅は子供がいてテレワークしづらい」「職場は県外だが、自宅近くでテレワークしたい」等の声をいただいた。
 
≫ テレワーク等推進プラン(北九州市観光情報サイト)

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事業の背景

新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が発出される中、市内宿泊施設は稼働率が低迷し、深刻な状況にあった。一方、全国的にテレワークが推奨される中、自宅に子供がいるなどしてテレワーク場所に悩む市民からの声も上がっていたことから、施設と市民の双方を結びつける事業として、宿泊施設を活用したテレワーク支援事業を企画・実施したもの。

  • 首長インタビュー

    北橋 健治
    福岡県北九州市長北橋 健治
    出身地
    兵庫県西宮市
    首長職以前の略歴
    東京大学法学部卒業。1986年に衆議院議員総選挙に出馬して当選。衆議院議員を6期務めたのち、2007年に北九州市長に就任(現在4期目)。
    首長としての活動実績(一例)
    ●官民のSDGs達成に向けた連携創出を支援する「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム(内閣府設置)」の会長に就任
    ●子育て支援の評価は9年連続政令市トップ
    ●環境モデル都市、SDGs未来都市に政府から選定
    ●安全安心条例の制定、暴力追放運動で治安の劇的な改善
    ●日中韓3か国で開催される「東アジア文化都市」の開催都市に九州で初めて選定
    ●若戸大橋、若戸トンネルを無料化
    ●イクボス宣言を本市から全政令市、周辺都市に広げる
    趣味
    草野球、卓球、囲碁、音楽鑑賞、アーチェリー
    注目事業を実施にすることにした背景や目的

    新型コロナウイルスの感染拡大により、福岡県では4月7日から緊急事態宣言が発出されました。旅行や外出の自粛により、市内の宿泊施設は稼働率を大幅に減少させ、市内事業者は深刻な状況に陥っていました。他方、感染拡大防止の観点から、全国的にテレワークが推奨されておりましたが、自宅に子どもがいるなどの理由で、テレワーク場所に悩む市民の皆さまの声を多くいただいていました。
    この両方の課題に取り組むために企画したのが、宿泊施設を活用したテレワーク推進事業です。厳しい状況に置かれている宿泊事業者を支援し、テレワークを希望する市民のニーズに応えることを目的に実施いたしました。



    注目事業でこだわったポイントや期待している点

    ホテルの一室が丸ごと仕事部屋になるので、「集中できる環境」と「三密を避ける空間」が両立できます。利用者の利便性を第一に考え、利用時間などは通常の勤務時間に合わせる形で、朝9時からに設定しました。そのまま宿泊も可能にし、翌朝9時にチェックアウトするまで、同料金での利用を可能にしました。利用に関する障壁を限りなく減らすことで、積極的な利用を促すことで、約2カ月半の実施期間中、予想を超える16,700件の利用がありました。
    ポストコロナの「新たな日常」に対応した生活様式として、宿泊施設を利用したテレワークが定着することを期待しています。


    注目事業の今後の展開について

    福岡県では、1月13日から2月28日までの期間、2回目の緊急事態宣言が出されました。宿泊事業者や市民の皆さまから多くの要望を受けて、第2回目を実施しており(事業期間は令和3年1月12日~令和3年3月31日まで)、今回も多くの方に利用されていると聞いています(2月末の時点で約20,000件の利用見込み)。
    新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、いま、これまでの社会の在り方を見直す動きがあらゆるところで生まれています。今回の取り組みは、宿泊施設の新しい解釈であり、新しい働き方を示すものでもありました。テレワークやワーケーションといった言葉もありますが、「これからの働き方」「これからの宿泊施設の使い方」を具体的に体験するきっかけになれば、と考えています。


    臨時交付金をどの事業に充てるか優先順位の考え方

    これには様々なご意見があると思います。本市ではこれまで、「検査・医療提供体制の確保」や「事業継続のための地域経済対策」、「感染拡大防止に取り組む事業所や市民等への支援」に全力を挙げて取り組んできました。いずれも重要な政策で、優先順位をつけるのは大変難しいところではありますが、これまでの新型コロナウイルス感染症の感染拡大と経済への影響を見ていくと、感染拡大防止が最大の経済対策であると言えるのではないでしょうか。


    withコロナ時代の地域づくり

    新型コロナウイルス感染症の影響はまだ続き、多くの方が大変ご苦労をしていると思います。一方で、新型コロナウイルスの影響で、テレワークなど場所にとらわれない働き方が広がっています。首都圏在住者やIT企業などを中心に地方への分散の流れも見られており、地方都市にとってはチャンスです。令和3年度は、首都圏IT企業等を対象に、サテライトオフィス設置に向けた支援や、本市の企業や学生とのマッチングを支援するコーディネーターを配置する事業などに取り組みます。本市の「住みよさ」を多くの方に知っていただき、まちや暮らしに活気を取り戻したいと考えています。
    本市がトップランナーを目指して推進するSDGsは「誰一人取り残さない」社会を目指すものです。SDGsの理念はwithコロナ時代においてこそ、その真価が発揮されるものと信じています。


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  • 担当者コメント

    德永 篤司
    北九州市産業経済局観光課 德永 篤司
    注目事業を実施するなかで直面した課題や工夫した点

    新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、本市の宿泊事業者は令和2年度の早い段階から経営的に大きなダメージを受けていました。事業者の支援をどのように行っていくのか、という課題には常に直面しています。
    この事業は4月11日に当時の安倍総理が「緊急事態宣言の対象地域は出勤者を7割削減してほしい」とコメントしたことを受けて、本市として独自にできる取組として開始したものになります。一日も早く宿泊者の減少に歯止めをかけるため、事業の調整においてはスピード感を最優先し、その結果、4月16日には事業をスタートさせることができました。


    注目事業にどのように地域の関係者を巻き込んだのか

    事業の実施にあたっては、市や観光コンベンション協会、観光事業者で構成される北九州市国内観光客等誘致促進協議会を通じて、テレワークで活用可能なプランを提供する市内宿泊事業者を公募しました。その結果、市内44の宿泊施設から応募があり、多くの方に格安でテレワークの場を提供することができました。市内のホテル・旅行業界など関係各所の協力はもとより、商工会議所との連携により、市内の事業者にプランの紹介を行うなど、全市一丸となって実現しました。


    注目事業を実施してよかったと思う点

    テレワークを経験された方からは、「家庭に小さなお子様がいて自宅での仕事が難しい」「高齢の親がいるので三密を避けるため自宅外でテレワークしたい」「職場から遠くの自宅にいては、急な商談などに間に合わない」などのお声をいただいており、本事業はこのような悩みを少しでも解消し、テレワークを推進するために実施して参りました。まずは場の提供がスムーズにできたという意味で、これらの声にお応えすることはできたのではないかと思っています。同時に、事業に参加した宿泊施設からも「市内の方の利用が増え、新しいホテル需要が生まれた」「苦しい時に売り上げ増につながり、経営上大変助かった」などの声をいただきました。


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  • 有識者コメント

    高橋 俊宏
    株式会社ディスカバー・ジャパン
    代表取締役社長
    高橋 俊宏
    この取組を面白いと感じた理由

    コロナで宿泊減、観光客減の影響で甚大な被害を受ける宿泊施設に対して、テレワーク需要を創出した点を評価。宿泊施設は空き部屋を埋めるために、利用者はコロナ禍、リモートワークを強いられる中、家庭でのワークスペースの確保できない人々にとっては宿泊施設を利用できるのは渡りに船。期間中、16700件の利用があったという事実に注目。コロナ禍での苦肉の策であったはずだが、これだけの反響があったということは、課題を抱える両者にとってお互いの課題解決に繋がったということを物語っている。宿泊施設の新しいあり方や利用の仕方を示唆する事例にもなったのではないかと推察する。


    この取組の特に注目してほしいポイント

    3000円補助で16700件の利用があったという事実に注目してほしい。アフターコロナ、ウィズコロナの時代にリモートワークが少なからず定着しそうな予感の中、宿泊施設の宿泊以外の利用の仕方が新しく発明されたのではないだろうか。ワーケーションという概念やスタイルも生まれているので、新たにその需要も取り込めるのではなかろうか。いま日本ではオリンピックを照準にホテルの開業ラッシュだが、オリンピック後、ホテルの空室をどう埋めるのかが課題になるはず。その近い将来において、テレワーク需要でカバーするという課題解決を先に行った事例とも取れるのではなかろうか。


    この取組と組み合わせたら相乗効果のありそうな取組

    ワーケーション。企業誘致を行う上でのテレワーク、ワーケーション事業。


    この取組をオススメしたい自治体

    団体旅行をメインにしていた大箱ホテルを抱える観光地、温泉地。


    この取組に期待すること

    近年、団体客をメインにしていた大箱ホテルや温泉旅館は団体需要が減り、個人旅に移行していいく中、空室を埋めるのに四苦八苦していたところにコロナである。その影響で廃業を余儀なくされる大型ホテルが続出する中、観光ではなく働く場所としてホテルを捉えるという発想の転換は今後の宿泊施設の生き残り施策のアイデアとしてヒントになるのではないかと思う。


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