事業紹介

主食用水稲次期作支援事業

茨城県稲敷市

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事業の概要

主食用水稲次期作支援事業
  • 事例集番号

    -

  • 地域未来構想20

    -

  • 事業実施時期

    令和2年10月~令和3年3月

  • 総事業費

    157,388千円

新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い、外食需要が激減し米価が下落した状況を踏まえ、営農負担の軽減による農業者の生産意欲を喚起し農業経営の安定を図るため、下記条件を満たす稲作農家に対し、次期作における肥料・農薬等の農業用資材の一部を補助金として支給する。
 
【補助金額】主食用米作付面積10aあたり5,000円
【条  件】
① 市内に住所を有している者
② 稲敷市地域農業再生協議会に「令和2年度営農計画書」を提出しているもしくは水稲共済に加入している稲作農家
③ 令和3年度以降も営農を継続する者

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事業の背景

稲敷市は、県内でも有数の米の特産地であるが、新型コロナウイルス感染症の影響により、主食用米のうち飲食店などが使う業務用需要が激減してしまっている。それにより価格の下落が発生してしまい、稲作農家は減収することが懸念される。
そこで、稲作農家の次期作への生産意欲の向上を図るため、この支援事業の実施に至った。

  • 首長インタビュー

    筧 信太郎
    茨城県稲敷市長筧 信太郎
    出身地
    茨城県稲敷市
    コロナ禍で明らかになった医療機関や公共交通の脆弱さ

    北は霞ケ浦(湖)、南は利根川にはさまれた稲敷市は、温暖な気候で風光明媚な水辺の景色が見られる人口約3万9000人の市です。
     
    コロナ禍では感染拡大防止対策を第一に進めてまいりましたが、ワクチン接種の際に、市内に医療機関が少なく、当初ワクチンの打ち手が足りないという問題が生じました。また今回、ワクチン接種会場までの移動が困難な方がいらっしゃることが分かり、そういった方には、タクシー代金の一部を助成しました。
     
    さらに稲敷市は高齢化率が35%と高く、ワクチン接種予約をオンラインで行えない高齢者の方も多くいました。そこで、ドライブスルー方式の予約システムを採用。市役所の職員用駐車場を開放し、予約希望者が車から降りずに、職員の案内を受けながらタブレットで予約を取れるようにしました。その結果、市民の方からは「大変スムーズに予約ができた」と高い評価をいただきました。


    稲敷市緊急経済対策事業プロジェクトチームを結成
    市民の声を横断的にくみ上げる

    コロナ禍においては、感染予防の観点からも、市民のみなさんと直接お話して意見をくみ上げるという訳には行きませんでした。そのため、各課から若手職員を中心に2~3名を選出し、「稲敷市緊急経済対策事業プロジェクトチーム」を結成。市民からの要望や情報を共有し、さまざまな世代の声を拾い、アイデアを出し、迅速に対策事業を実施しました。
     
    そんななかで重点を置いたのは、子育て世代支援です。県内でもいち早くタブレットを配布して子ども達の学習機会の確保に努め、学校休校時にも放課後児童クラブを朝から夕方まで開放、小中学生のいる世帯に対する稲敷産米の配布、市外在住の大学生に新米やマスクを送付する等の対策や支援を行いました。さらに、雇用の維持や小規模事業者への支援、生活に困っている世帯への給付金支給、77歳以上の高齢者への商品券配布等、小規模な市ならではの小回りの利く支援を行いました。


    コロナ禍の外食需要の激減により
    打撃を受けた水稲農家を支援

    水利の良い稲敷市は市の面積の約40%が農地であり、水田になっています。農家も約2000軒あり、そのうち8割以上が水稲農家です。しかしコロナ禍で外食産業が縮小傾向となり、飲食店の主食用米の需要が激減、それによって米価も下落し、農家が減収となってしまいました。
     
    実は前年の令和元年には、ちょうど収穫時期に大型の台風19号が関東を直撃し、お米の粒が落ちてしまう事態が発生しました。この減収となった翌年が今回のコロナ禍でしたので、このままでは農家さんが営農意欲を失ってしまうのではないかと危惧し、「主食用水稲時期作支援事業」を実施。営農負担の軽減のために、主食用米作付面積10aあたり5,000円の補助金を交付しました。その結果、営農を継続することにしたという方の声を多数いただきました。
     
    近年、台風などによる自然災害も激甚化しています。水田というのは水を溜めておく貯水施設で、防災施設でもあります。そして何より、水田が広がる懐かしい田舎の原風景が稲敷市の魅力です。私たちもしっかり農家さんの支援を行い、美味しいお米を作っていただいて、日本全国の皆さんにお届けしたいと思います。


    都心からのアクセスよく、密を避けたレジャーが
    楽しめる点も地域の魅力

    米どころの稲敷市ですが、特に東地区で作られている「ミルキークイーン」という銘柄のお米は、冷めても美味しいと高評価を頂いています。さらに地理的表示保護制度※(GI)に登録されている江戸崎かぼちゃ、霞ケ浦周辺で収穫される浮島れんこんも地域が誇る特産品です。
     
    また霞ヶ浦には国指定のナショナルサイクルロードコース「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が通っていて、霞ヶ浦ごしに筑波山を望みながら密を避けてサイクリングを楽しむことができます。市内に9カ所あるゴルフ場も、感染対策が万全で、時間が区切られているので人気が高く、都心からのアクセスもよいことから予約も取りにくいほど、大変好評を得ております。こういった地域の魅力も、改めて発信して参りたいと考えています。
     
    ※生産地の気候・自然環境・伝統的な技法などに紐づいた特性を持つ伝統的な産品の名称(地域ブランド)を、国が知的財産として保護するもの


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  • 担当者コメント

    佐藤 孝祐
    茨城県稲敷市 農政課 佐藤 孝祐
    高齢の方に配慮したシンプルで分かりやすい申請書作り

    今回の「主食用水稲時期作支援事業」では、1786件の農家が対象となり、対象者の多くは高齢の方でした。そのため、手続きが複雑であったり、また書類の記入欄が膨大にあったりすると申請が進まない事態になることも考え、分かりやすい書面を作成し、手続きも簡単にできるよう配慮しました。
     
    具体的には、申請の条件となる作付面積等は市がデータを持っているので予め書面に記入しておき、対象者は内容に間違いがないかを確認して、返信用封筒で郵送するだけという手続きにしました。その結果、申請の受付から補助金の交付までスピーディに行うことができました。


    農家さんの意欲向上に成果

    台風やコロナ禍の影響により2年連続で減収し、離農も考えていた、という農家の方々から、「この事業のおかげで思いとどまった」と言っていただきました。さらに、「作付面積をもっと増やして頑張りたい」という声も届き、一定の成果があったと感じています。
     
    今回の事業とは別になりますが、稲敷市には他の地域から江戸崎かぼちゃやレンコンの栽培で新規就農する方も毎年おります。また、市独自で農家の後継ぎ支援も行うなど、若い農業者の育成も行っています。その他、農薬や機械など、農業資材の単価が上がり続けていることから、スマート農業に対する支援や農薬費用の補助事業も行っています。
     
    私は他市で生まれ育ったのですが、稲敷市で働くなかで稲敷市のお米やレンコン等と出会い、本当に美味しいと思いました。市のふるさと納税でも、返礼品の9割がお米ですが、特にミルキークイーンは一番先に品切れになってしまうほど人気のある銘柄です。稲敷市が誇る特産品を守るためにも、できるだけ多くの農家さんに営農を続けてもらいたいですね。そのために私たちも、支援、応援に取り組んでまいります。


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