事業紹介

多拠点居住推進事業

静岡県浜松市

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  • 活用事例集事業
  • 地域未来構想20
  • オープンラボ

事業の概要

多拠点居住推進事業
  • 事例集番号

    76

  • 地域未来構想20

    ⑬リビングシフト

  • 事業実施時期

    令和2年7月~令和3年3月

  • 総事業費

    29,500千円

テレワークの課題を解決するため、We will㈱、スズキ㈱、㈱東海理化、浜松市の4者で「浜松テレワークパーク実現委員会」を設立。
エブリイやハスラーをアイドリングストップ中でも車内で電源が使え、また車内で仕事ができるようにデスクや照明を配置するなどテレワーク仕様に改造した。あわせて、市内の公共駐車場に専用区画や電源を整備し、テレワークができる環境を整備。令和2年11月のオープニングイベントを経て、令和3年1月から実証実験を開始し、令和4年3月まで実施する予定。
 
また、インフルエンサーを浜松市に招聘し、浜松市の魅力を発信するためのツアーを実施。その様子を動画撮影し、浜松市のワーケーションのPRに活用した。
 
※総事業費のうち、950万円が当該事業費になります。

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事業の背景

・ウィズコロナ社会のあり方として、経済モードと安全モードをうまく切り分けながら生活していく「デュアルモード社会」への移行が急務となっている。
・「デュアルモード社会」を体現する生活形態として、多拠点居住及びワーケーションを促進する機運が高まっている。

  • 首長インタビュー

    鈴木 康友
    静岡県浜松市長鈴木 康友
    出身地
    静岡県浜松市
    「安全モード」と「経済モード」を巧みに切り替えるデュアルモードを推進

    Withコロナの時代おいては、「安全モード」と「経済モード」を巧みに切り替えていく「デュアルモード」の社会が進みました。それを支えているのがデジタルの力です。浜松市ではコロナ以前からデジタルの活用に取り組んできましたが、コロナ禍でそれが一気に進み、デジタルを活用した社会課題の解決に重点的に取り組んでいます。


    全国に先駆け、スピードと波及効果を重視した経済対策を実施

    私がコロナ禍で重視したことのひとつに、スピードと波及効果があります。例えばコロナ禍で打撃を受けた飲食店支援として、いち早く「はままつ安全・安心な飲食店認証制度」をスタートし、市が定めた基準をクリアした店舗を公表しました。この制度は国が全国の自治体に指示を出す9か月前にはスタートしていました。
     
    また一昨年の5月の緊急事態宣言明けから、スピード感を持って経済対策をやらなければとキャッシュレス決済企業との連携を思い立ちました。いろいろな企業に声をかけたなかで、PayPayと連携することができ、浜松市×PayPayのポイントバックキャンペーンを実施。浜松市で大成功したことで、全国に広がりました。
     
    他にも、市内の認証店舗を利用すると、支払額と同額をキャッシュバックする「1億円キャッシュバックキャンペーン」も実施。最初は賛否ありましたが、実施すると大きな経済波及効果を生み、現在では第3弾まで開催しています。


    新しい働き方、オープンイノベーションによる新しいビジネスモデルの提案

    コロナ禍で、密を避けた働き方としてテレワークが急速に普及し、国においてもワーケーションといった新たな働き方も推奨されてきました。
     
    そんななか、以前から浜松市内でコワーキングスペースを運営しているスタートアップ企業We willから、今回の注目事業であるテレワークパークのアイデアを提案いただきました。その内容は、ユーザーがオフィス機能を備えた車をレンタルし、電源を備えた駐車場をコワーキングスペースとして利用できるというものでした。
     
    本市としても、テレワークにおける「自宅だと個室や空間の確保が難しい」といった課題を解決でき、また「車をオフィスにという発想が面白い」と考え、We willに加え、自動車メーカーのスズキ、デジタル技術を持つ東海理化および本市と4者合同で『浜松テレワークパーク実現委員会』を設立しました。現在、実証実験中であり、ニーズ調査をしながら、事業自体をブラッシュアップして行きたいと考えています。
     
    この事業は、本市が自動車産業の街であるという特性を生かして、ベンチャー企業や大企業とのオープンイノベーションによってできた浜松市ならではの取り組みです。今後はこういったビジネスモデルも全国に発信していきたいですね。


    豊かな自然も都市機能も兼ね備えた浜松市

    本市は、本市を代表する湖である浜名湖、海、川、中山間地域とあらゆる自然が一つになった国土縮図型都市です。こうした豊かな自然だけでなく、都心部には人口約80万の都市機能を備えており、中部圏では名古屋に次ぐ規模になります。
     
    都心からのアクセスがよく、東京、大阪までは新幹線で90分、名古屋までは30分、ふたつの東名高速道路も走っています。誰もが地域コミュニティに入っていきやすい開放的な土地柄であることも本市の魅力の一つです。
     
    コロナ禍で、東京一極集中から地方への分散化が始まりましたが、本市はその受け皿として最高の場所です。そういった点からも、東京からの企業誘致、サテライトオフィスの整備による2拠点居住や拠点活動の誘致に取り組んでまいります。


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  • 担当者コメント

    浜松市産業部
    観光・シティプロモーション課
    実証実験で明らかになった成果と課題

    テレワークパークの実証実験は、令和3年の1月からスタートしました。
     
    現在は、法人単位でご登録、ご利用いただいています。また利用した方々から、「風光明媚なところでリフレッシュできた」「個室が確保できて、家やオフィスよりも集中できる」といった声を多くいただきました。その一方で、「車内で一日中仕事をし続けると体の負担が大きい」という意見もいただいていますので、実証実験で得たアンケートを基に、事業化に向けてブラッシュアップしているところです。


    浜松市の風光明媚なエリアをテレワークパークに活用

    この実証実験での本市の役割は市内の環境整備であり、臨時交付金もテレワークパークの電源整備に充てています。この臨時交付金では、浜松駅前の浜松魅力発信館The GATE HAMAMATSU、浜名湖に面している弁天島海浜公園の2か所に電源と専用区画を整備いたしました。この2か所に加え、今後、市内の公園や中山間地域などの風光明媚な場所にも電源を設置していく予定です。設置場所については、実現委員会の中で協議して決定しており、景観が良いことはもちろん、トイレや飲食店などの便益施設があるか、電源の整備の可否、安全性など様々な事項を勘案しています。市内にテレワークパークの拠点を増やすことで、この世界観が定着する土台作りをしています。


    官民連携でイノベーションを起こすスタートラインに

    この度、テレワークが抱える課題の解決に向けて、スズキ、We will、東海理化、本市の4者で官民連携の座組が組めたという点もこの事業の魅力であると考えています。毎週この4者で、定例のミーティングを実施していますが、事業の構築の仕方、進め方は地方自治体では中々体験できないことが多く、非常に良い刺激になっています。
     
    実証実験は、令和3年度末までとなっています。現在、市内企業を中心とした多くの方にこのテレワークパークをご利用いただいています。
     
    本市としては、テレワークパークをゆくゆくは多拠点居住やワーケーションを推進するうえでのコンテンツとして活用できればと考えています。実証実験で得たデータやアセットは今後の政策にも生かしていきたいです。


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  • 有識者コメント

    中川 寛子
    東京情報堂
    代表
    中川 寛子
    この取組を面白いと感じた理由

    テレワーク、ワーケーションについては多くの自治体が不動産を活用しての対策を試みているが、浜松市の場合はそれが車という点が面白い。地元の産業を活用しているだけでなく、地元の観光資源、地理をも上手に利用しており、そこにオリジナリティがある。また、不動産を利用しての対策となると費用が大きくなるが、車利用であれば費用のかからない小さな実験から始められ、長期的展望を抱きにくい現在においては無駄がない施策とも思う。車の活用に関しては近年、車中泊やトレーラーハウスの活用などが進み、動産を不動産的に使う考えが生まれている。機動性、経済性その他を考えると、こうした流れを利用してみることで新しい展開も期待できるのではなかろうか。


    この取組の特に注目してほしいポイント

    事業は市内でコワーキングスペースを運営しているスタートアップ企業We willからの提案で、同社を含め、自動車メーカーのスズキ、デジタル技術を持つ東海理化および浜松市の4者合同で『浜松テレワークパーク実現委員会』を設立して行われており、この座組みにも注目したい。現場を知り、アイディアのあるスタートアップと技術、ノウハウを持つ大手、そして行政が組めば新しいことが生まれるわけである。柔軟に提案を受け入れることができる自治体には可能性があると思う。


    この取組と組み合わせたら相乗効果のありそうな取組

    現在は車をオフィスとして見立て、テレワークの場としての車を考え、実証実験を重ねているそうだが、車の使い方はまだまだある。市でもワーケーション、多拠点居住なども視野に入っているそうだが、新たな使い方を発明していただきたい。


    この取組をオススメしたい自治体

    自動車産業が地元にある自治体となると限られるが、風光明媚で電源、Wi-Fiが使える場所がある自治体となれば数は多いはず。また、風光明媚でなくとも、使われていない駐車場が多い住宅街などを舞台にしても同様な展開は可能ではないだろうか。


    この取組に期待すること

    車という移動可能な、不動産的にも使える動産を使うことで、これまで使われていなかった場を、使われていなかったやり方で、使われていなかった時間に使えるようにすることでその土地の価値を上げる可能性に期待したい。民間にもそうした動きはあるが、自治体の場合には土地を所有していたり、地元からの信用があったりと民間に比して有利な部分が多々ある。良い事例が生まれれば追随する動きも出るのではなかろうか。


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