事業紹介

子どもの文化芸術体験確保支援事業

大阪府東大阪市

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  • 地域未来構想20
  • オープンラボ

事業の概要

子どもの文化芸術体験確保支援事業
  • 事例集番号

    -

  • 地域未来構想20

    -

  • 事業実施時期

    令和3年8月

  • 総事業費

    16,501千円

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、子どもたちの失われた文化芸術体験の機会を確保するため、東大阪市文化創造館において市立小学6年生約3,700名を対象とした無料のオーケストラコンサート「クラシックの時間in文化創造館」を実施。感染対策に配慮しながら3日間で6回公演を行い、会場である文化創造館の会場使用料、出演した楽団の出演料、演奏曲の著作権料等の経費に交付金を活用した。
 
クラシックをはじめ、学校の教科書に掲載されている曲やテレビアニメの流行曲等、バラエティ豊かなプログラムを通して、最高の音響空間を持つ文化創造館大ホールの雰囲気や、オーケストラの生演奏を体験してもらい、コロナ禍により学校行事が少なくなった児童の新たな学びの機会として、また楽しい思い出づくりの一助を担う事業として令和4年度も引き続き実施予定である。

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事業の背景

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により多くの学校行事が中止や延期、規模の縮小があった中、子どもたちの文化芸術体験の機会を確保するための事業を企画した。
また令和3年に策定した「東大阪市第3次文化政策ビジョン」における施策の柱の一つとして「子どもが文化芸術に触れる機会の創出」を掲げており、東大阪市の小学6年生の誰もが文化創造館大ホールで文化芸術を体験できる体制を確立することで、「文化のまち、東大阪市」を推進していく。
 
※令和4年度は令和5年3月6日~8日の3日間で実施予定。

  • 首長インタビュー

    野田 義和
    大阪府東大阪市長野田 義和
    出身地
    京都府京都市
    首長職以前の略歴
    大阪府立花園高等学校卒業。昭和62年から東大阪市議会議員を5期、うち第37代・第45代の東大阪市議会議長を経験。平成19年に東大阪市長に就任(現在4期目)
    ※2023年3月時点
    対面交流の減少がおよぼす社会問題が浮き彫りに

    緊急事態宣言に伴う外出自粛や、市内の大学・私立学校園でのオンライン授業の実施、テレワーク・リモートワークへの勤務形態の転換などにより、特に高齢者や学生の間で対面での交流機会が失われることとなりました。交流機会の減少がもたらす孤独・孤立は、うつ病やひきこもり、ヤングケアラ―、いじめ問題など、重大な社会問題につながりかねない課題であると認識しています。
     
    また、厚生労働省より示された「新しい生活様式」を受け、ここ数年で全国的にDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けた取り組みが加速。デジタル技術の急速な導入により、市民または事業者の間での情報格差が浮き彫りとなりました。コロナ禍前より東京一極集中や人口減少社会への対応という課題がありますが、リアルなふれあいを大切にしながら、DXという新たな手法を用いて課題解決を図るという視点がより明確になったと考えています。


    文化機会損失の子どもたちと新施設を結びつける

    新型コロナウイルスの感染拡大の影響により多くの学校行事が中止や延期、規模の縮小を余儀なくされ、本来得られるべき子どもたちの貴重な体験機会、時間が奪われていきました。私は、このような厳しい状況に置かれた子どもたちを見て、市として何かできないものか…という思いをもっていました。
     
    一方、本市には素晴らしい音響設備を備えたホールを有する「文化創造館」が令和元年9月に開館しましたが、こちらもコロナの影響を大きく受け、各種イベントを中止・延期、また臨時休館せざるを得ない状況が続いていました。
     
    このコロナに翻弄された子どもたちと「文化創造館」を結びつけ、市立小学6年生全員を「文化創造館」に招待するという事業『クラシックの時間in文化創造館』が生まれました。本交付金がなければこのような大胆な発想は生まれなかったかもしれません。コロナ禍で辛い思いをした子どもたちに少しでも元気や生きる力を届けることができれば、という思いで推し進めました。


    本物の文化芸術に触れ、子どもも施設も成長していく

    コンサート名が『クラシックの時間in文化創造館』とある通り、本事業は「文化創造館」で実施することに大きな意義があり、また、本市と「文化芸術のまち推進協定」を締結している(公財)関西フィルハーモニー管弦楽団様の力もお借りして、子どもたちに本格的なクラシックを体感してもらうことをコンセプトにしました。
     
    「文化創造館」の大ホールは音響が良いとプロの演奏者からも高く評価をいただいていますので、子どもたちにはプロの楽団によるクラシックの演奏を通じ、大ホールの雰囲気や音の良さを体感してもらいたいと考えています。そして東大阪市には素晴らしいホールがあるということを知ってもらい、そこからさまざまな文化芸術に触れてもらうきっかけになれば、今度は子どもたちの方から「文化創造館」にやって来るというように、子どもたちとともに成長していく事業になるのではないかと考えています。


    自分も体験し、子どもたちの生の声を聞き、事業に反映したい

    令和3年8月に第1回目を開催しましたが、当時は新型コロナウイルスが感染拡大していた期間でありました。前日、当日の急な参加辞退などもあり、当初の予定人数には届きませんでした。ただこのような中で安全安心なコンサート運営に努め、参加してくれた子どもたちや先生方からは大変高い評価をいただきました。
     
    第2回は令和5年3月に開催する予定ですが、現在のところは前回よりも多くの学校から参加希望の声をいただいています。まだまだ成長途上の事業ではありますが、より良くするためにはやはり子どもたちの生の声を聴くことが何より大事ですので、私自身もコンサートに参加し、子どもたちの声を直接聴いてみようと思います。
     


    東大阪市の多彩な魅力づくりに注目

    東大阪市は、高校ラグビーの聖地・花園ラグビー場を有する「ラグビーのまち」であり、市内に4つの大学を有する「大学のまち」、多種多様な中小モノづくり企業が多数集積する「モノづくりのまち」でもあります。
     
    また昨今は、本市が舞台地の一つとして選ばれた連続テレビ小説「舞いあがれ!」の放送開始、花園ラグビー場を本拠地とする「花園近鉄ライナーズ」のディビジョン1への昇格、本市をホームタウンとするプロサッカークラブ「FC大阪」のJリーグへの昇格などが続き、大いに注目を集めているところです。
     
    交通面においては、大阪駅までの直接のアクセスが可能となる「JRおおさか東線」の延伸や令和11年度開業予定の「大阪モノレール」南伸事業など、さらなる利便性の向上が見込まれています。
     
    これらの特性を活かし、人々の笑顔や活気が溢れる明るく元気なまちづくりに向けて全庁一体で取り組んでまいります。これからの東大阪市のまちづくりにご期待ください。


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  • 担当者コメント

    東大阪市
    人権文化部文化室文化のまち推進課
    山田 朋典
    開催実施は安全に、演奏曲は楽しく学びあるものに

    公演に向けて市教育委員会にも協力してもらいながら、51校ある市立小学校との日程調整、また一度に多数の小学校が「文化創造館」に集まるため、各学校の移動手段や交通整理、館内でもスムーズにホールへ誘導する体制づくりが課題に。各所の協力のもと、大きなトラブルもなく実施することができ本当によかったと感じています。
     
    公演内容については、第1回目は新型コロナウイルスの感染状況が厳しい時期での開催となりましたが、多くの学校にご理解をいただき1日2回公演を3日間、計6回公演を実施。本事業は本格的なホールでオーケストラの演奏を聴くのは初めてという子どもも多く、集中力も考慮し公演時間を1時間にしました。
     
    演奏曲は関西フィルハーモニー管弦楽団と相談を重ねた結果、本格クラシック曲の他に、学校の教科書に載っている曲、人気アニメや映画のテーマ曲をバランスよく取り入れ、ただ単に楽しい思い出づくりの場だけにはせず、学びの面も持ちながら子どもたちにも受け入れやすいプログラムにするなどの工夫をしました。


    子どもたちのなかに芽吹いた文化創造の心を実感

    開館してすぐに新型コロナウイルス感染症の影響を受け、イベントの制限や休館などなかなか思うような運営ができなかった「文化創造館」に多くの子どもたちが訪れ、学校の授業だけでは得られない生の学びの場、楽しい思い出づくりの場として活用できたこと、「文化創造館」が子どもたちの身近な存在になる大きな一歩となったことをうれしく思っています。
     
    実際に、大ホールの持つ高揚感やオーケストラの迫力ある演奏を体感した子どもたちの表情がとてもよく、中には感極まり涙を流す子もいたという予想以上の反応がありました。まさにこういう時期だからこその文化芸術の持つ癒しの力、というものを私自身も体感できました。
     
    コンサート終了後に参加校へアンケートを実施したところ、全ての学校に「満足した」と回答いただき、子どもたちや先生方からは「これまでの学校の文化体験事業で一番」「6年生の夏休み最後の最高の思い出になりました」「本当に今はこういう機会がないからありがたい」などのお声をいただきました。
     
    また今回演奏された曲の中で特によかった曲については、人気アニメ曲を押しのけ本格クラシック曲が一位になったのは驚きでした。子どもたちが真剣にコンサートを聴いてくれて、文化芸術に触れてもらえたことを実感できました。


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