事業紹介

与論町特産品学校給食支援事業

鹿児島県与論町

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  • 地域未来構想20
  • オープンラボ

事業の概要

与論町特産品学校給食支援事業
  • 事例集番号

    -

  • 地域未来構想20

    -

  • 事業実施時期

    令和4年4月~令和5年3月

  • 総事業費

    1,500千円

新型コロナウイルス感染症の影響で来島者が減少したことにより売り上げが減少してしまった町内の特産品を学校給食に活用することで特産品生産事業者の売り上げ回復を図り、また、これまで特産品をあまり食べる機会の無かった小中学生・教職員に対して与論町内の特産品に対する認識を深めさせ、島内需要喚起や特産品PRを図る。
 
〇事業費の内訳
補助金 1,500,000円 ※特産品等購入に対する補助
 
〇想定給食提供特産品
もずくそば、モリンガ麺、生鮮魚介類(サメ、シビ、ソデイカ等)、魚介類加工品、
熱帯果樹(マンゴー、パッションフルーツ等)、牛肉、地場産野菜、黒糖など

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事業の背景

①新型コロナウイルスの影響による観光客減少で、特産品や地場産物が売れなくなってしまった。
 
②町内特産品(特にマンゴーや町内産牛肉)は価格が割高で学校給食に提供することはなかなか難しく、地元の子供たちが特産品について知る機会があまりなかった。
 
上記①、②の問題について、地方創生臨時交付金を活用することで解決し、子供たちの特産品に対する理解を深めさせる(食育)だけでなく、未来の産業発展につながると感じて本事業を提案した。

  • 首長インタビュー

    山 元宗
    鹿児島県与論町長山 元宗
    出身地
    鹿児島県与論町
    首長職以前の略歴
    山梨県都留文科大学卒業
    与論町立与論小学校教諭、奄美市(旧笠利町)節田小学校校長、与論町教育委員長、与論町明るい選挙推進委員長などを経て与論町長に就任(現在2期目)
    ※2023年2月時点
    観光産業がコロナ禍で苦境に

    鹿児島最南端にある与論島は、「癒しの島」とも呼ばれ、多くの観光客に愛されてきました。
     
    しかしコロナ禍による観光客の減少により、主要産業であった宿泊業やマリン業などの観光業がダメージを受けることに。観光事業と関連する多くの事業でも、売上が激減してしまいました。さらに、島内でコロナのクラスターも発生し、特に飲食店は非常に苦しい日々を過ごし、閉店するお店も出てきました。
     
    そんななか町では、そういった方々に対する給付支援事業や、コロナ禍で経済を回していくための各種支援事業、アフターコロナをイメージした新しい観光コンテンツの開発に対する補助金など、地域経済の活性化につながるような事業を優先的に実施してきました。


    島の特産品を学校給食に!

    コロナ禍の影響で観光客数がかつての水準まで戻らないなか、従来は島外の方にご購入頂いていた特産品も売上が伸び悩んでいる状況にありました。一方で、島の特産品、特にマンゴーやパッションフルーツなどは価格も高く、それまで地元の子供たちも食べる機会があまりありませんでした。それならば、これら地元特産品を学校給食に積極的に取り入れたらどうかと考えたのです。
     
    そうすることで、
    ・特産品の生産事業者、販売事業者の売上に貢献でき、地産地消促進になる
    ・学校給食を通して児童生徒や教職員等が地元の特産品に対する理解を深めることができる
    等、さまざまな効果が期待できるということで、実施を決めました。


    給食で伝統食を味わい、与論島の食文化理解へとつなげていく

    もっともこだわったのは、これまで学校給食に登場することのなかった地元特産品、特にマンゴーなどのフルーツ類や行事の際に振舞われていたプチムッチャー(よもぎ餅)を提供することでした。特にプチムッチャーはかつてお祝いの時に各家庭のおばあちゃんが手作りしていましたが、時代とともに作れる人たちが減り、今の子供たちは食べる機会がほとんど無くなっていました。それを学校給食で提供することで、与論の食文化の伝承や伝統教育にもつながっていったのです。


    事業を継続することで、子どもたちの地元への理解を深めてもらいたい

    給食事業を実施するなかで、生産者との連携不足により提供まで至らなかった特産品もあったりと、いろいろな課題も浮き彫りになりました。その課題を克服しながら事業を継続することで、子供たちに地元についての理解をより一層深めてもらいたいと考えています。


    エメラルドグリーンのビーチが美しい与論島で癒しの時間を

    与論島には幻の白い砂浜「百合が浜」をはじめ、エメラルドグリーンの海が輝くビーチが多くあり、春~秋にかけて長い期間、海水浴やマリンレジャーを楽しむことができます。コロナリスクの低い屋外でのアクティビティが多く、コロナ対策も万全に安心・安全な観光ができる点も特長です。暖かい気候と温かい島民性も与論島の魅力。ぜひ皆様も心の疲れを癒しに来てはいかがでしょうか?


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  • 担当者コメント

    裾分 大喜
    与論町立学校給食センター 裾分 大喜
    学校給食が与論島の伝統文化を伝える好機に

    給食に島の特産品の果物を提供するにあたっては、役場の果樹担当を通じて、提供できる時期や供給量のキャパシティなどのヒアリングを行いました。農家の方々には、給食提供というハードルは高く、プレッシャーに感じられるというご意見も頂き、事業継続のためには生産農家のみなさんとしっかり連携していく必要があると感じました。
     
    一方で、児童生徒のみなさんからは「マンゴーおいしかった」という反響がありました。パッションフルーツは、低学年の児童や職員のなかには初めて食べる方もいて、「種ごと食べることにビックリした」「好き嫌いが分かれた」など、いろいろなリアクションがあったようです。実際に味わうことで、特産品のことを知ってもらういい機会となったと感じました。
     
    さらに、プチムッチャー(よもぎ餅)を提供してくださった生産者から、「かつて旧暦の3月3日にプチムッチャーを食べて子供の健やかな成長を願うという風習があったが、時代とともに無くなり、プチムッチャー自体も食べる機会がなくなった。学校給食で改めてその風習を紹介できたことがありがたい」と、感謝の言葉を頂きました。島の伝統文化を改めて伝える機会を作ることができたと、私たちもうれしくなりました。


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